2023.08.03 INTERVIEW
7月17日(月)にInstagram Liveにて実施したトークを一部編集してお届けします。
ゲスト:堀川七菜、畠中真濃、鈴木竜、土本花(トーク順)
参加者:唐津絵理、東海千尋、神村結花(DaBY)
■vol.1はこちら
東海:出演者の方にもお話を伺いたいと思います。
神村:初演の時から、客観的な視点でリハーサルに参加いただいている振付アシスタントの堀川七菜さんからお呼びしようかと思います。
唐津:七菜さんは振付アシスタントでもありますが、アンダーとして、誰かが怪我をした時や、お休みされた時に、その方の代わりにその場所に入ってくださったりもしています。本当に今回のプロジェクトであらゆることに目配りをしながら参加いただいているので、一番作品について知ってらっしゃるかなと思います。
東海:七菜さん、今唐津さん、結花さんからもご紹介がありましたが、この作品を見る視点が一番広い人の1人かもしれないということで、七菜さんから見てリハーサルの状況はいかがですか?
堀川:初演とメンバーが変わって思うことは、唐津さんがおっしゃっていたように、まず唯さんのパートナーが変わったことで、唯さんの今までとは違う表情を見たり感じたりすることが多く、この変化はすごい面白いなと思って見ています。
また、もちろんアンサンブルの方も、初演から参加している人たちは、初演を経て、その舞台で感じたものを持ってリハーサルに臨んでいると思うのですが、それに変に固執することなく、新たなメンバーの新しい風を受けて、雰囲気も含め柔軟に変化しているような感じがして見応えがあります。
新しく入ってきたダンサーの方々の対応能力もとても高くてすごいなと思って見ています。やりづらいことがあっても、お互いに「こうやってるよ」とシェアしたり、新しいやり方があったら、「それいいね」と取り入れたり、バランスよく進んでいるようと思います。
東海:唐津さんはリハーサルを見ていてどのような印象を受けていますか?
唐津: 3人変わるだけでこんなに違うのかなと感じるくらい、本当に雰囲気が違います。もちろんメンバーが変わったこともありますが、時間をおいたことも大きな要因かなと思います。3月に愛知公演が終わって、今回の公演の稽古開始が7月だったので、その間に4ヶ月弱ありましたよね。愛知公演が終わった後、考える時間があって、この4ヶ月くらいの中で他の舞台や稽古での経験もあって、その中での変化が大きいのかなと感じています。
例えば、唯さんは、『マクベス』や『白鳥の湖』を踊られていますよね。先日、唯さんにインタビューさせていただいた時にもお話しされていたのですが、『Rain』のトムソンと『マクベス』のマクベス夫人は、悪女のように描かれているところがかなり似ていると。ここで向き合った別のキャラクターやダンスが蓄積して、それが次の公演に生きてくるっていうことを言われていました。皆さんもそういう蓄積が多かれ少なかれあるのではないかと思います。
東海:七菜さんは客観的にこの作品をご覧になっていた中で、時間を置いて、変わって見えたところはありますか?
堀川:客観的に現場で見て思ったこととしては、美術や音楽の舞台上での存在感の大きさを体験できたことで、作品の見方が変わったような気がしています。やはり、リハーサル室でやってるのとはまた違った臨場感があります。
唐津:そうなんですよね。『Rain』は舞台美術を設営して稽古してたのですが、舞台上で本当に美術ができて、それを体感した違いはありますよね。また、音楽も立体音響としていろいろなところから音が聞こえて稽古場とは聞こえ方も変わるので、本番と同じ体験が、結局リハーサル室では全然できないというのが大きな特徴ですよね。一度本番を経て、また新たなスタート地点に立っていくというところがあると思います。
東海:七菜さんとして、次の再演でこういうところをお客さんにぜひ見てほしい、という見どころがあれば教えてください。
堀川:やはり美術と音楽とダンスとの融合を体験できるのは劇場ならではだと思うので、そこがまず見どころだと思います。あと初演から、ダンサーたちにどのような変化が起こったのかという点を見ていただくことも面白いと思いますし、初めて見る方には、初演を経てもう一段階レベルアップした作品として、新たな『Rain』を見ていただけると思います。
神村:ありがとうございました。それでは、次にDaBYオープン当初の企画から参加いただいている、畠中真濃さんにお話しいただきたいと思います。
東海:真濃さん、ありがとうございます。今再演に向けてリハーサルが進んでる中で、感じられていることなど、ぜひお聞かせください。
畠中:まず初演からダンサーが変わっているということもありますが、自分たちも細かいニュアンスや、動きの間に何を見ながら踊るのか、といった細部にまでこだわる余裕が出てきました。初演ではどうしても、作品を完成させるために自分たちができることをダンサー同士で相談することが多くなってしまいますが、再演のリハーサルでは、竜さんともコミュニケーションを取りながら、細部を中心にリハーサルをする余裕が出てきているので、作品の完成度を上げるためにはすごくいいことだなとは思っています。
神村:ダンサーの方とリハーサルの間にも相談しているというお話がありましたが、具体的にはどのようなことを意識していたり、どのようなことをダンサー同士で共有してリハーサルをしているのでしょうか?
畠中:例えば、あるタスクを竜さんから渡された時、ダンサーそれぞれでやってみると、同じタスクの動きをしているつもりでも、出てくる動きが全然違っていたり、バラバラに見えてしまったりすることがよくあります。私はこういう風にやっているつもりなんですと主張しても仕方ないので、自分はこういったイメージで、実際に身体のこの部分を意識して動いているけどどう見えているかなどとやり取りしています。結果出てきたものが意図どおりでなくても、全体として統一されたものになっているとか、あるいは統一されていなくてもそれぞれの思っていることのぶつかり合いで何か新しいものが出てくることを目指してトライしています。
先ほどお話いただいた堀川さんにも、全員が出ているシーンでは外から見てもらうことで、もうちょっとこうした方がいいとか、目指したいものに見えないからこれを意識して試したらどうか、などと提案してもらっていました。
東海:視聴者の方からのご質問です。「会場によってできないこととかあるんですか?」というものです。もしかしたらこれから実際に会場に行って取り組むことかもしれないですが、舞台の大きさなどによって動き方の違いなど出てくるのでしょうか?
畠中:美術の規模がとても大きいのと、音楽も劇場に入ってからevalaさんが調節してくださっているので、劇場に行ってみないとわからないことが沢山あります。なので、まずはリハーサルで踊りのベースをきちんと整えて、劇場での見え方も意識しながら準備して、それを劇場に持っていってようやく色々なことがはっきりとわかってきます。その中で、自分たちが用意してきたものをどのようにやるかを改めて考えながら本番に向かうという感じになると思います。
唐津:舞台美術や音響が会場によって随分変わってくると思います。基本的なフォーマットのようなものは同じなのですが、舞台の広さ、それから客席がどういう形で、どういう形状でどこから見るのによっても見え方が全然違ってきますし、音響もスピーカーのクオリティなどに左右されます。その劇場にあるものをなるべく活かしてそこの環境でベストな状況を作ろうとしているので、そういった意味では見え方、聞こえ方は劇場ごとに変化すると思います。それから、舞台の内側の話なんですけど、例えば、美術を上下させるシーンがあるのですが、舞台の機構が劇場によってそれぞれ違います。人力でやらなければいけないところもあれば、自動でできるところもあります。人力のところは大変です。
東海:真濃さんから、こういうところをぜひ見てほしいといった点はありますか?
畠中:例えば、唯さんと賢さんの2人が軸で進むシーンでは、アンサンブルがどんな動きをするかによって、唯さんと賢さんの間に見えてくるものが変わるなど、色々な関係の中に踊りがあると思います。美術や音楽も切り離して考えずに、その場においてどのように踊りがあるのかをお客様にも見ていただきたいと思っています。私自身も、自分の踊りを頑張るだけではなく、もう一歩先まで頑張りたいと思っています。
神村:ありがとうございます。先ほど視聴者の方からご質問で、「振付家の方はどなたでしょうか?」という質問をいただいたきましたが、演出・振付を務めるDaBYアソシエイトコレオグラファーの鈴木竜さんより作品の見どころをコメントいただいたので、ご紹介したいと思います。
「今回の舞台は、ある意味で美術・音響というよりも「場」そのものとして、劇場に入ってからダンサーたちがどう反応していくのか、そこも見どころの一つと言えると思います。」
唐津:「場」ということを竜さんが書いてくださいましたが、ダンス作品を観るという感覚よりも、その場にいることを体感していただく作品になっていると思います。大巻さんの美術も舞台美術として、舞台の背景にあるというようなものではなくて、一つの人格として、ダンサーと美術が一緒にそこに存在するというコンセプトがあります。また、音楽もいわゆるメロディーがある音楽というよりは、色々なところから音がシャワーのように出てくるような体験も含め、お客様が同じ空間をどうシェアできるのかということも含めて楽しめる作品になっているかなと思っています。
神村:それでは次に、土本花さんをお呼びしたいと思います。
唐津:花さんにDaBYに最初に関わっていただいたのは、レジデンスダンサーの中村蓉さん、柿崎麻莉子さん、小暮香帆さんの3名によるMOSAの若いダンサーたちと一緒に実施した月面着陸プロジェクトの企画ですね。月面着陸の3人組のメンバーの中に入っていらっしゃったのが最初ですよね。それからレジデンスダンサーとして参加してくださることになって、『Rain』には、創作の途中、昨年の夏頃から参加してくださいました。
東海: DaBYに関わるようになって、感じていることを教えていただけると嬉しいです。
土本:私は岐阜県出身で、上京して1年経ってからDaBYと関わらせていただいてます。上京する前も上京してからも、同世代のダンサーたちと関わる機会が少なかったのですが、DaBYに関わらせていただいてから、目標やキャリアはそれぞれ違うけれども、同志というか、ダンサーとしてこれから一緒に頑張っていきたいと思う同世代の子たちと出会えたことがすごくありがたい機会だなと思っています。
『Rain』のリハーサルに関しては、新しいメンバーを迎えたということと、初演から時間が経ったということもあり、今とても新しい気持ちで向き合えていると思います。実際、この間のリハーサルでユニゾンの部分をリハーサルしたのですが、メンバーが違うので、感じる空気も違って、自分の踊りにも少しずつ変化が起きている感覚があることが面白いなと思っています。もう少し全体が見えた時に作品としてどのような変化が生まれてくるのかを感じるのが楽しみです。
東海:結花さんもスタッフとしてリハーサルを見守っていると思いますが、何か思うことなどありますか?
神村:初演から時間が経って、皆さん良い距離感でコミュニケーションを取られて、リハーサルをされている様子が印象的です。初演までのリハーサルでは、作品の全貌が見えない状況があったかと思うのですが、いざ愛知公演で舞台に立って、何か感じられたことや発見はありましたか?
土本:初演の時、舞台に立ってやっと作品の全体が見えてきた感じがして、皆さんお話しされてますが、美術と音楽とダンスがフラットな立場で向き合えている作品だと感じています。その中で、自分はどうやってその場に立とうかということを今回再演で追求していきたいなと思います。
東海:あとは作品の背景にある「雨」というところに独特の緊張感があるというようなお話もしてくださってましたよね。
土本:はい。ダンサー同士から生まれる緊張感はもちろんあると思いますが、本番を迎えた時、美術や音楽からも、そして見ていただいているお客様からも緊張感が伝わってきて、会場全体でその空気をシェアしている感覚があって…新しい感覚でゾワゾワしました。
唐津:今まであんまり感じたことなかった感覚ですか?もちろんお客様に向かってパフォーマンスするわけですが、普段はお客様と劇場の舞台に壁みたいなのがあると思います。それを乗り越えたというような感覚なのでしょうか?
土本:そうですね。踊る側の緊張感と観ている側の緊張感が分かれていると感じることが多かったのですが、初演の時は、舞台に上がる前から、ダンサー、美術、音楽、観客の方とも、緊張感が渦巻いているような緊張感がありました。
神村:『Rain』の特徴の一つでもあると思いますが、舞台での上演が始まる前にホワイエパフォーマンスがありますよね。やはり、観客の方と近い距離で、既に作品が始まっているという状況もも影響していたりしますか?ホワイエのパフォーマンスはいかがでしたか?
土本:ホワイエのパフォーマンスは個人的にはとても緊張したのですが、公演と日常との境が曖昧になっている感覚がすごくありました。それは、会場全体で渦巻く緊張感にとても影響していると思います。
唐津:ホワイエの状況も劇場によって随分違うので、ホワイエパフォーマンスも各会場によって随分違ってくるのかなと思います。
神村:視聴者の方からコメントをいただいているため、ご紹介できればと思います。北九州の公演にお越しいただけるそうです。
「『場』の体験は楽しみですが、出演者による変化や、劇場の反応や変化は、複数の劇場に見に行ける人しか感じられないことでもったいなく思います。例えば、過去の場を少しでもネット上にオープンしていただけると、その差を体感でき、観客目線でさらに場を楽しめるようになるのではないかと思います。」
唐津:そうですね。ある程度、いろいろな会場の上演が終わった後に、それぞれの会場の短いドキュメンタリーを作っていくのも面白いかもしれないですね。上演に関しては、様々な著作権などもあるので、全部を公開するということはなかなか簡単ではないのですが、ホワイエパフォーマンスなどは公開できる部分もあるのではないかと思います。貴重なご意見をありがとうございます。
東海:竜さんにも参加していただきました。作品に対する想いなど聞かせていただけますか?
鈴木:日本の舞台創作の環境の中で、再演というものが前提とされている作品は本当に少ないという状況です。作り手である僕としても、初演を迎える前の段階から再演が決まり、少し時間を置いて、ブラッシュアップをできるような状況があるということはとてもありがたいです。ある意味での気持ちの余裕を持って、トライアンドエラーということをすることができています。
初演だけで終わるということになると、初演をゴールとしてどれだけのクオリティを出せるかという勝負になってしまうと思うのです。例えば、我々が海外カンパニーの招聘公演として観るような有名な作品や海外で公演を重ねてきている作品は、幾度も上演を重ねて日本に来ているものも多くあると思います。今年のキッドピボットの『リヴァイザー』や昨年観たマギー・マランの『May B』を鑑賞しても思いましたが、初演のときのメンバーが一人もいないというように、ある意味で作品が生き物のように新陳代謝しながら、新たなレイヤーを積み重ねていくということができるというのは、再演してさらにブラッシュアップできるということの良さだなと思っています。
また、今回、中川賢さんが「雨」の原作に登場するデイビッドソンの役割を担う存在になってもらっていますが、新たな面が見えてきています。ある意味で、著者のサマセット・モームの存在としても挑戦してくれるような気がすると、僕は期待しています。
唐津:ありがとうございます。「雨」の原作をベースにしていますが、ダンサーに完全な役柄を当てている訳ではありません。ダンサーが担う役割が揺れを動く形になるので、竜さんとしては、賢さんの踊りを見て、モームの気配を感じているということなのですね。初演ではなかったような要素みたいなものが、加わる可能性もあるということなのかなと感じました。
鈴木:もちろん、それは賢さんに限らず、新しく参加してくれているダンサー達全員も、継続して出演してくれているダンサー達の変化というのも新鮮な形で作品に違う血を通わせてくれるのだろうなと感じています。
唐津:本日参加が難しかったダンサーの方々もいらっしゃいますので、ご紹介したいと思います。竜さんからもコメントいただければと思います。
初演から参加いただいている戸田祈さんからご紹介できればと思いますが、DaBYレジデンスダンサーとして長くDaBYにも関わっていただいていて、9月に上演するパフォーミングアーツ・セレクションでもイリ・ポコルニの新作『Night Shades』も出演いただきます。竜さん、祈さんの存在はどのように感じていますか?
鈴木:祈さんは独特な雰囲気を持っていて、驚きをくれるダンサーなので、東京公演までのリハーサルでまた驚かせてもらうのを大変楽しみにしております。
東海:ありがとうございます。新キャストとして、ジョフォア・ポプラヴスキーさんも出演してくださいますね。
唐津:ジョフォアさんは、Noism1を経て、現在はフリーランスとして活動されています。竜さん、リハーサルをされてみての印象はいかがですか?
鈴木:ジョフォアさんは、Noism1やヨーロッパのカンパニーで踊られていたので、プロフェッショナルで、リライアブルなダンサーだと感じています。経験値が非常に高いダンサーなので、その経験を『Rain』で生かしてくれて、僕にとっても若いダンサーたちにとっても助けになってくれるような存在としていてくれると思っています。
東海:ありがとうございます。新しいメンバーという意味で山田怜央さんもいらっしゃいますね。
唐津:怜央さんは、一昨年の鈴木竜トリプルビルの中で上演した『Proxy』(2021)に出演していただきました。当時は高校生だったと思います。
鈴木:DaBYでは元々バレエをやっていたダンサーが多かったりする中、怜央さんはジャズ出身で、実は僕も厳密に言うと種類は異なりますが、ジャズの出身なので親近感があります。『Proxy』をご覧いただいた方はわかると思いますが、とても身体能力が高く、若さを全開に生かしたダンスに羨ましいなと思っています。
唐津:怜央さんは、ヒップホップも踊られて、インプロヴィゼーションも得意だとおっしゃっていました。愛知県の方では、カリスマ先生でもあるそうで、怜央さんのクラスは順番待ちになるみたいです。
鈴木:レッスンでも、すごくフレッシュないいエネルギーに満ちているので、見ていてすがすがしい気持ちになれるダンサーだと思います。
唐津:楽しみですね。コンテンポラリーの作品に参加する経験はあまりないけれども、そこへのハードルはなくて、自然に溶け込めてるし、振付をもらうのがすごく楽しいとお話ししてくれましたので、新しい風を吹かせてくれるのかなと感じています。
最後に、木ノ内乃々さんをご紹介したいと思います。乃々さんは、DaBYがオープンしたときに最初に創作した「ダンスの系譜学」で、安藤洋子さんが振付した『MOVING SHADOW』(2021)に出演いただいています。オーディションで80人くらいの中から選ばれた2人のうちの1人です。乃々さんもDaBYがオープンした当初から来てくださっていて、当時は、18歳くらいだったと思います。雰囲気も変化して、精神的にも身体的にも成長を感じるダンサーです。
鈴木:乃々さんも怜央さんとはまた違った意味で才能のあるダンサーだと思っています。年齢的にもキャリア的にもエネルギー満ち溢れた時期にあると思うので、乃々さんの人生の中のこの時間をこの作品のために使ってもらえることはすごく嬉しく思っています。これから、乃々さんのことを見る機会はコンテンポラリーでもバレエでも増えるのではないかなと個人的には思っているので、若い方たちに『Rain』を観に来てほしいなという気持ちもあります。
唐津:バレエダンサーへのコンクールの振付もされていますし、先ほどの安藤洋子さんの『MOVING SHADOW』に一緒に出演されていた山口泰侑さんと2人でデュエット『An』(2023)をDaBYで創作されて、それもまた発表されるとおっしゃっていたので、楽しみですね。
東海:最後に、竜さんと唐津さんから一言ずついただけますでしょうか?
鈴木:「場」という話が上がりましたが、配信やリモートで様々な情報を得られる時代になっても、やはり劇場は特別な場所だなと思いますし、せっかくこれだけ様々な会場で公演を実施できるので、実際に体感していただきたいと感じています。
唐津:日本では上演機会が少なく、ダンサーが踊る経験が十分にないという現状があります。せっかく時間と経費をかけて創作をしても再演ができないと、ダンスを仕事にしていくことはできません。さらに公演を行っても、お客様に見に来ていただけないと結局成り立ちませんので、ぜひダンサーと公演を創っている人たちを盛り上げていただいて、一緒に参加しているという気持ちで、日本のダンスの環境が少しでも良くなるように、観ることで応援していただければ嬉しいなと思います。ありがとうございました。